2007年6月10日日曜日

人との縁。。。

またまたタクシーの中での話。。。

病院からタクシーに乗った。

タクシーの運転手さんは
松葉杖を使用しているので優しい。

特に、病院で待機しているタクシーなので
乗車する人の素性を理解している。

この日のタクシーの運転手さんも
優しく声を掛けてくれた。

「大丈夫ですか?ゆっくりで構いませんよ。」

このような言葉を掛けられると、

「ありがとうございます。」

と必然的に言葉が出て、
所謂、気持ちの良い会話のキャッチボールが成立する。

松葉杖を上手にタクシーの中に仕舞い込み、
手術した患部を気遣いながら、
松葉杖使用者の正しいタクシーの乗り方の
お手本ののような型でタクシーに乗り込んだ。

冒頭の会話が気持ちが良いと、
お互い会話をスタートさせ易い。

「足のお怪我ですか?」

「はい。3本ほど骨折しまして・・・」
「2回目の手術を終えたんですけど、まだ1回残ってて・・・」

「実は私もこの病院に入院して足の手術したんですよ。」
「因みに先生は何先生ですか?」

かなり円滑に会話がスタートした。





ちょっと話を2ヶ月前に遡らせる。。。

4月の第1週に怪我をした。
野球の試合中、ホームにスライディングした際に
怪我をした為、その場からストレッチャーに乗って
救急車に乗せられ、大学病院に運ばれた。

土曜日の夜21時過ぎであった為、
レントゲンを撮って脱臼していることが判ったため、
応急処置的に整復をして、そのまま入院した。

フルコースな怪我のため手術が必要であるが、
その細かい判断等は週が明けてからの
月曜日以降に決断すると告げられた。

更に月曜日以降の入院する為の病床の有無は
月曜日にならないと判らないし、
手術が可能な日程も月曜日にならないと判らないのだ。

因みに余談ではあるが、
骨が折れている状態での脱臼の整復は
かなり痛かった。一瞬ではあるが、
ジャックバウアーの受ける拷問張りに辛かった。

再掲する。

いや~っ、痛かった。

さて、話を戻すが、患部に痛みを感じながら、
病室の中で何も決まらないスケジュールに不安を感じた。

「どうするっ!?どうする、俺~~っ。。。」状態だった。

数ある不確定要素に不安を覚えながらも
1つ1つその不安要素を列挙して優先順位を付けていった。

何が今後の入院、手術に重要かを・・・・・

a 一刻も早い手術の日程
b 評判のよい病院
c 信頼のおける医師
d 綺麗な看護師

どれが1番重要なのか悩んだ。
cとdで、いや、aとcで悩んだ。

自分の身体にメスを入れられるので
やはり、信頼のおける医師に執刀して貰いたい。
のは人間の心情だ。

僕には医学的知識は何も無いが、
人間として、「この人は信頼がおけるか否か」
判断する感覚は備わっている。

いきなり来て、はい手術します。
こうします、こうします、こうします。は嫌だ。
不安にさせる医師には執刀して貰いたくない。

ちょっと違和感があるかもしれないが、例えるならば、
信頼のおける医師は、理想の上司に似ているかもしれない。

●長年培われた知識と経験 「このプロジェクトはこうしよう!」
●全てを包み込む包容力 「安心しろ、最後は何とかする!」
●飲んだらただのおっさん 「かみさんが、怖くてさぁ。。。」

知識や技術だけでもダメ、
声が大きい体育会系の勢いだけでもダメ、
そしてやっぱり人間力が無ければダメ。
そんな信頼出来る医師を求めて、

あらゆる方に助けを求め、御願いした。

僕が我侭な人間であることは間違いない。

でも、僕が運び込まれた当時の大学病院の対応は
僕に不安を与える対応の他でも無かった。

10年前に肩の手術を受けた時も、
自分自身で納得して、信頼出来る先生に御願いした。

しかし、今回と違うのは、
前回はじっくりと考える時間があったが、
今回は、ただひたすら「痛い」「痛すぎる」「時間が無い」。

そこでの縁。

ある後輩が彼も足首を怪我した経験があり、
その時に執刀して貰った先生を紹介してくれると言う。

大学の後輩であるが、直接的には知らなかった。
間接的に知っていて、非常に信頼の置ける彼であった。

僕のことを親身になって考えてくれ、
休日にも関わらず、先生に連絡を取ってくれて
診察のアポイントメントを入れてくれた。

僕の信頼おける後輩が、
手術を受けて後悔していないと言う先生だから、
僕も信頼して御世話になろうと決心した。

その時点から自分の心の中も晴れ、
手術までの日程もスムーズに決定して、
無事に怪我から6日後に手術を受けることが出来た。

後輩との出会いに非常に感謝している。
その後輩を紹介してくれた従兄弟にも感謝している。

その縁が先生との出会いになった。

そして、僕は不安なく手術に望むことが出来た。


話をタクシーの中に戻す。
今日は想いが強いだけに長編だ。

「●●先生です。」

「そうですか、私も●●先生だったんですよ!
 5年位前に手術を受けたんですが・・・・」
「3つの病院に行っても、全てで歩けなくなる可能性が
あると言われたけど、●●先生だけは手術してくれました。」
「今では、全く後遺症も無く、タクシーを運転してますからっ!」

「そうなんですかぁ!」

「本当に素晴らしい先生で、僕もよく
この病院から患者さんを乗せますが、口を揃えて仰ってますね。」
「「世界の●●先生だっ!」って。」

評判が評判を呼び、病院はいつも患者さんが沢山いる。

僕はこのタクシーの運転手さんに励まされた。
2回目の手術をした直後で、前途に不安を感じていたが
この出会いで吹き飛んだ。。。

人との縁とは本当に不思議ではある。

「縁」を大切にしたいし、「縁」に感謝したい。

もし足首で困っている方がいれば、
僕は親身になってその先生を紹介したいと思った。

まぁ、まだ、自分再生中ではあるが・・・
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