2007年11月19日月曜日

僕の入院日記 その③一夜明けて編

いよいよ、その時が来た。

看護士さんから飲食の許可が出た。朝の8時だ。

痛みよりも何よりも、お腹が空いて仕方が無かった。
何だ、結局、食欲が勝ってしまう
そんな自分に嫌気が差したのも事実。

しかし、繰り返しになるが、
4月は本当に痛くて痛くて仕方が無かった。食欲なんて皆無だった。

そんなことを思い出しながら、常温の水を飲み干した。
久しぶりの松葉杖を使用しながら売店まで新聞を買いに行った。

そんなに久しぶりでもないシャバの空気であるが、いつもと世界が全く違う。
暫く2足歩行が出来ていたので忘れていた、あの感覚。。。

本当に人間の怖さを知った。喉もと過ぎれば何とやら・・・・
忘れていた訳ではないが、あんなに一所懸命に、
この国の美しくない部分に触れてきたのに
2足歩行で歩けるようになった瞬間から
少しずつ忘れていってしまったように思える。

僕は必死に自分の足を庇いながら
一所懸命に松葉杖を付くスペースを探しながら
混雑する病院の待合室を進んでいきながら
何ヶ月前かの自分の気持ちを思い出した。

便利を手に入れてしまうと、それを忘れてしまう。
それを当たり前だと思ってしまう。

本当にこの気持ちだけはずっと持ち続けたい。
これだけは忘れてはいけないな。。。

生きていることに感謝。

しかし、物理的に松葉杖の付き方を
忘れていた自分も恥ずかしい。

会計に並ぶおばあちゃんに心配された。
「大きいから倒れたら助けられないよ~っ」
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